学部・研究科・附属病院の歴史

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医学部・医学研究科

研究室紹介

生体機能・構造医学専攻
生体情報・機能制御医学専攻
生体防御・総合医学専攻
予防・社会医学専攻

生体情報・機能制御医学専攻

生殖・遺伝医学講座

産科婦人科学分野

 産科婦人科には習慣流産・不育症研究の30年以上にわたる歴史があります。本学基礎分野はもとより、多施設共同研究を行い、不育症の原因究明、不育症診療の標準化に貢献しました。2015年4月には、文部科学省「不育症・ヒト生殖メカニズム解明のための共同研究拠点」に6年間の認定を受けました。日本不育症学会を設立し、2019年3月には第1回日本不育症学会を開催しました。また、Lancetに国際共同研究によるMiscarriage seriesが掲載される予定です。これらの貢献に対して、私自身、郡健二郎学長についで3人目の中日文化賞をいただくことができました。
 生殖分野においては、高度な技術を要する着床前診断を実施してきました。佐藤剛准教授が日本産科婦人科学会特別臨床研究に参加して、研究成果をまとめました。
 周産期分野では鈴森薫前教授の研究テーマである出生前診断を発展させ、鈴森伸宏准教授が新出産前診断NIPTコンソーシウムに参加し、多くの成果発表を行ってきました。また、2018年9月からは田中基産科麻酔教授が着任し、硬膜外分娩を開始しました。麻酔科医、産科医、助産師による症例検討会を行い、安全性の確保に努めております。分娩数増加はもとより、医療従事者が当院を選んでくれることに誇りを感じております。
 腫瘍分野ではロボット手術を導入して、西川隆太郎助教を中心として、手術件数も着実に増加しています。
 若手医師らは、伝統に縛られず、自分の意思でカロリンスカ研究所はじめ国内外施設に留学し、自分に必要な技術を身に着けて研究、診療の発展のために貢献してくれています。次世代の活躍がものすごく楽しみになってきました。

新生児・小児医学分野

 新生児・小児医学分野は新生児から思春期まで小児の総合医として、また、小児医療の最後の砦としての役割を果たしています。初代教授小川次郎先生は日本における新生児医療の父として知られ、名古屋市立大学小児科は日本における新生児医療の中心として広く知られています。その流れは現在も脈々と受け継がれ、岩田欧介准教授を中心として新生児医療の実践と研究・教育に取り組んでいます。
  特に、新生児低酸素性脳症の治療法である新生児低体温療法では日本での共同研究(Baby Cooling Japan)の中心施設として指導的役割を果たしています。新生児・小児医学分野には新生児グループ以外に血液・悪性腫瘍、循環器、神経、心理・発達、内分泌、アレルギー、肝臓、腎臓のグループがあり、互いに連携して診療・研究・教育に取り組んでいます。それぞれのグループの垣根は低く、有機的に連携ができているのは、新生児・小児医学分野が小児の総合医(generalist)を重視してきた伝統のためです。
  診療のみならず、研究においても互いに連携することで、毎年20を超える英文論文を発信し、小児医療の発展に寄与しています。新生児・小児医学分野は名古屋市立大学病院だけではなく多くの関連病院を有し、互いに連携して小児医療を実践しています。日本専門医機構が認定する小児科専攻医の基幹研修施設が大学病院を含めて9施設存在し、全国でも最も規模が大きい小児科の一つです。
  このような恵まれた環境とgeneralistを重視する伝統の中で育った新生児・小児医学分野出身の小児科医は専門性を基盤とした小児の総合医として東海地区はもとより日本の小児医療を支えています。

(文責:齋藤 伸治(教授))