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オープンカレッジNo.3「医薬品の開発と使用に関する最近の話題」


ウエブ配信 最新医学講座 オープンカレッジ 令和2年度 第3期のご案内
  • [開講日程] 令和2年11月13日(金)~令和3年1月15日(金)
  • [応募受付期間] 令和2年9月28日(月)~令和2年10月16日(金)
  • [選考結果] 令和2年10月28日(水)
  • [コーディネーター]名古屋市立大学大学院医学研究科 薬理学分野 教授 大矢 進
新型コロナウイルス感染禍において、医薬品やワクチンの開発の動向が世界的に注目されています。一方で、それらの安全性や有効性を問題視するニュースも少なくありません。本企画では、新薬開発の迅速化、認知症や不眠症の最新薬物治療、iPS細胞を用いた医薬品評価法、病院薬剤師と薬局薬剤師が協働した薬物治療体制の確立、新薬の有効性と安全性の科学的証明に関して、それぞれの専門家が最近の動向について解説します。本学では、今年の3月に「漢方医学センター」が開設されました。そこで、漢方の新たな使い方についてもわかりやすく解説します。

第1回 11月13日 (金) 配信

ドラッグリポジショニング-開発を中止した薬の再利用-

名古屋市立大学大学院医学研究科 薬理学 大矢 進
医薬品開発には、化合物の発見から10~20年と数百億円の予算が必要になります。しかし、新薬の候補が実際に認可され、臨床現場で使用される確率は1/30,000です。この新薬開発の停滞を打破する手段として、既存薬を利用した安価かつ確実性の高い新薬開発「ドラッグリポジショニング」が注目されています。本講演では、多大な経済効果をもたらすドラッグリポジショニングについての現状や国内での取り組みについて概説します。また、個人の医療情報を活用したPrecision Medicine(高精度医療)の現状についても紹介します。

第2回 11月20日 (金) 配信

最新の漢方薬の使い方

名古屋市立大学大学院医学研究科 漢方医学センター 野尻 俊輔
漢方薬といえば古来より使われている古臭い医療だが副作用がなくて使いやすい。といったイメージを持たれている人が多いと思います。確かに現在使用されているエキス剤というものは副作用が比較的少ないのは事実ですが全く無いわけではありません。近代、漢方は中国をはじめ、台湾、ベトナムなどの東南アジアやドイツ、フランスのヨーロッパと北アメリカでも注目をされはじめ近代医学の発展とともに新しい使い方が開発されています。日本での(特に名市大での)新たな漢方の使い方とその効果、可能性をわかりやすく解説します。

第3回 11月27日 (金) 配信

最新の不眠症治療について

名古屋市立大学大学院薬学研究科 神経薬理学 粂 和彦
不眠症の治療は、1960年代以来の長きにわたってベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬処方が中心でした。しかし、近年になりBZ系薬の依存や過量投与の問題が顕在化し、薬物療法偏重が批判され、認知行動療法(CBT)の有効性が認識されるようになりました。また、GABA受容体を活性化するBZ系睡眠薬とは異なる薬理作用を持つ睡眠薬が開発され、薬物療法の幅も広がり、本年も新規の睡眠薬が市販されました。これら最新の不眠症治療を紹介します。

第4回 12月4日 (金) 配信

入退院で切れ目のない薬物治療をめざす

名古屋市立大学院医学研究科 臨床薬剤学 木村 和哲
医療の進歩により、入院でしか治療できなかった病気も、副作用の少ない薬の開発により自宅で生活しながら、外来で治療することが可能になってきました。2025年には団塊の世代が75歳以上になり、高齢者が在宅で療養する機会がますます増加します。そこで大事になるのが、入院中の薬物治療を安心して自宅での治療に引き継ぐことです。病院での薬物療法の情報を地域の薬局に受け渡し、安心安全な仕組みを作ることが不可欠であります。病院薬剤師と薬局薬剤師が協働し、切れ目のない薬物療法を提供できる体制ができつつありますので、紹介させて頂きます。

第5回 12月11日 (金) 配信

認知症の予防・治療薬開発のいま

名古屋市立大学院医学研究科 認知症科学 斉藤 貴志
認知症・アルツハイマー病の克服は、超高齢化社会における喫緊の課題です。しかし、これまでのところその治療は対症療法止まりで、有望な薬剤候補もほとんどが臨床試験をクリアできていません。近年、長年の病理学的解析と遺伝学、最新のイメージング技術からいくつかの創薬標的が絞り込まれてきています。本講義では、その展望と薬剤治療を開始するための早期診断法の現状・問題点も併せて概説致します。

第6回 12月18日 (金) 配信

くすりの開発と市販後の調査に関する最近の話題

名古屋市立大学院薬学研究科 神経薬理学 頭金 正博
新型コロナ感染症の蔓延に伴い治療薬の開発が注目されていますが、新薬の開発には、一般的に10年間程度の年月と数百億円にものぼる開発費が必要と言われています。また、開発されて一般の医療機関で使用されるようになった後も、実際に有効性や安全性が示されているか確認する調査が行われます。このように新薬開発に多額の費用や時間を費やすのは、有効性と安全性を科学的に証明するためです。私の講演では、新薬の有効性と安全性を科学的に証明する過程をわかりやすく紹介したいと思います。

第7回 1月8日 (金) 配信

医薬品の開発研究に貢献する再生医療技術について

名古屋市立大学院薬学研究科 臨床薬学 松永 民秀
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は増殖性に富み、生体を構成する全ての細胞に分化可能であることから、再生医療への利用が期待されています。一方、目的とする細胞を作製することができれば、人体から直接採取することが困難な細胞でも大量に得ることが可能となります。このため、ヒトiPS細胞から直接入手が困難な腸管上皮細胞を作製できれば、創薬研究の早い段階から医薬品の吸収評価などに利用することが考えられ、新薬開発開発への利用が期待されています。

第8回 1月15日 (金) 配信

小児・AYA世代がん患者の抗がん剤治療と生殖機能温存について

名古屋市立大学院医学研究科 臨床薬剤学 片岡 智哉
日本人の2人に1人はがんになると言われるほど、がんは身近なものでありますが、診断技術の発展や治療法の向上によって生存期間が延長されてきました。2018年に改訂された第3期がん対策推進基本計画(がんとの共生)では小児と思春期・若年成人(AYA)世代の長期フォローアップ体制の整備が課題として挙げられています。中でも抗がん剤は性機能への影響が危惧され、がん治療後のフォローが求められています。本講義では、抗がん剤治療に伴う性機能への影響と生殖機能温存方法についての最新情報を解説します。