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オープンカレッジNo.3「脳疾患の最先端治療」


最新医学講座:オープンカレッジ 2018年第3期のご案内
  • [開講日程] 平成30年11月9日(金)~平成31年1月18日(金) ※平成30年11月23日、12月28日、平成31年1月4日を除く
  • [応募受付期間] 平成30年10月1日(月) ~ 平成30年10月19日(金)
  • [選考結果] 平成30年10月31日(水)
  • [コーディネーター]名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 教授/間瀬光人
脳内病変の周囲には常に正常の脳組織があるため、その治療で病変に到達するとき、どうしても正常脳組織に影響を与えてしまう場合があります。しかし原則的には正常脳組織の破壊は倫理的に許されません。したがって脳内病変の治療ではできる限り周囲の脳機能を温存し損傷しないような工夫が行われています。本講義では脳腫瘍、脳血管障害や変性疾患などの脳疾患に対して、機能温存と低侵襲を追求した最先端の治療法や、リハビリテーション法を紹介します。

第1回 11月9日 (金)

放射線で切らずに脳腫瘍を治す

名古屋市立大学大学院 医学研究科 放射線医学分野 教授/芝本 雄太

放射線治療は概して副作用が少なく高い生活の質が期待できる治療法です。本講演では、新しい放射線治療によっていかに脳腫瘍が治せるかについてお話しします。最先端の放射線治療装置には、トモセラピー、トゥルービーム、サイバーナイフ、粒子線治療装置などがあり、これらを駆使すれば、いくつかの脳腫瘍は切らずに治すことができます。ただし、放射線治療だけでは不十分な腫瘍もありますので、その場合は手術や化学療法との併用が必要になります。放射線治療の認知度はまだ低いですが、この講演によってよりよく理解されることを期待します。

第2回 11月16日 (金)

機能を調べながら脳腫瘍を摘出する

名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 准教授/相原 徳孝

脳には、体を動かす、物を見る、聞く、しゃべる、考えるなどさまざまな機能が備わっています。脳に腫瘍ができたときは、どうやってこれらの機能を残して摘出するのでしょうか?今回の講義では、手術の際に脳の機能を調べながら安全に摘出する方法として、電気生理学的な機能モニタリングや覚醒手術の方法や原理について紹介します。

第3回 11月30日 (金)

内視鏡で安全に脳腫瘍を摘出する

名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 講師/谷川 元紀

近年、頭蓋内病変に対しても内視鏡手術の適応が急速に拡大して来ています。本講義では、従来から行われている脳室内病変に対する手術や経鼻手術を始めとして、最近当科で行っているシリンダーを用いた脳実質内病変に対する手術や、頭蓋底病変や脳深部病変に対する手術などを紹介します。内視鏡手術では、深部で明るく拡大された視野が得られ、空間を有効に利用でき、より繊細な手術操作が可能で、近い将来顕微鏡に取って代わるものと思われます。講義では、このような今後の脳腫瘍手術の方向性を実感して頂ければと考えています。

第4回 12月7日 (金)

手術でパーキンソン病を治す

名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 講師/岡 雄一

全国におよそ16万人の患者さんがいるといわれるパーキンソン病。ふるえや体のこわばり、動きにくさなどの症状が生活に支障をきたします。病初期は薬剤治療で症状がよく改善しますが、5年から10年が経過すると、薬の効いている時間が短くなるウェアリングオフが出てきます。薬の量や回数が増えると、ジスキネジアと呼ばれる動きや幻覚を認めるようになり、治療が難しくなります。このような患者さんでは、脳深部刺激療法という、脳の一部を電気刺激する治療が検討されます。今回その治療の概要と、手術についてお話します。

第5回 12月14日 (金)

最先端技術で脳梗塞を治す-ニヒリズムからの脱却-

名古屋市立大学大学院 医学研究科 神経内科学分野 講師/大村 眞弘

その時代や分野において当然のことと考えられていた認識などが革命的に変化することをパラダイムシフトと言いますが、脳梗塞の治療もまさにパラダイムシフトが起きています。私が医師となった1990年代は、脳梗塞の治療は確固たるものは無く、発症したら寝かしておくしかないといった虚無的な空気が流れておりました。あれから幾星霜、現在の最先端の脳梗塞の急性期治療と診断技術をご披露致します。

第6回 12月21日 (金)

カテーテルで脳疾患を治す

名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 助教/西川 祐介

脳血管障害の外科治療は直達手術から血管内治療(カテーテル治療)に大きくシフトしています。その代表的な疾患であるくも膜下出血の手術は、開頭手術でもカテーテル治療(コイル塞栓術)でも治療することがありますが、両治療が選択できる状態であればコイル塞栓術に優位性があるというデータが示されたことと、血管内治療に使用するデバイスの進歩によって、脳血管内治療の役割がより大きくなっています。くも膜下出血の病態・予防法・治療・経過とともに、脳血管内治療の「仕組み」と「できること」について解説いたします。

第7回 1月11日 (金)

最新のリハビリテーションで脳機能を回復させる

名古屋市立大学大学院 医学研究科 リハビリテーション医学分野 講師/植木 美乃

以前は成人の脳に障害がおこると機能回復は困難であると考えられていました。ところが、成人の脳であっても障害後に脳の働きやネットワークがダイナミックに変化することが最新の脳機能画像法の研究により明らかとなっております。さらに、脳を非侵襲的に刺激するニューロモデュレーションや脳とロボットアームを直接つなげるBrain machine interfaceの様な次世代リハビリテーションも開発されており、脳機能の更なる回復が期待されます。本講座では最新の脳科学に基づいたリハビリテーションを解説します。

第8回 1月18日 (金)

手術で認知症を治す(正常圧水頭症)

名古屋市立大学大学院 医学研究科 脳神経外科学分野 教授/間瀬 光人

加齢とともに脳は老化し、ときに認知症と呼ばれる状態になります。しかしその原因はさまざまであり、多くの研究が行われていますが、まだ解決にはしばらく時間がかかりそうです。正常圧水頭症は、唯一手術治療が行われる認知症です。頭蓋内に髄液がたまって起きるため、余分な髄液を頭蓋外に排出する手術(シャント術)で症状が改善します。正常圧水頭症の症状や診断、他の認知症との見分け方や、治療法についてお話しします。