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2023年 第3期「臨床とつながる最新研究 ~医師と薬剤師の目線から~」


最新医学講座 オープンカレッジ 2023年 第3期のご案内
  • [開講日時] 令和5年10月27日(金)~令和5年12月22日(金) 毎週金曜日18:30~20:00  ※11月3日(祝)除く
  • [応募受付期間] 令和5年9月18日(月)~令和5年10月6日(金)
  • [選考結果] 令和5年10月18日(水)
  • [コーディネーター]名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床薬剤学分野 教授 日比陽子
 医療現場では、毎日多くの患者さんの治療が行われています。これまでに、感染症や癌や生活習慣病を始め様々な病気に対する治療法が世界中で見いだされ医療が発展してきました。医療スタッフは、こうした経験と知識を駆使して治療に取り組むのですが、まだまだ十分に治せない疾患もたくさんあります。医療の進歩は日進月歩。名古屋市立大学でも、臨床データ解析や基礎研究解析を駆使して、病気の仕組みの解明から新しい治療法を開発し、また、より効果的な薬物治療の確立を目指して研究しています。
 本講座では、医師/医学研究者と薬剤師/薬学研究者の目線から、臨床とつながる研究についてご紹介できればと思います。

●第1回 10月27日 (金)

病院薬剤師の役割の進化と臨床研究

名古屋市立大学大病院 薬剤部 日比陽子
病院薬剤師の役割は、この30年で大きく変わりました。かつては薬剤部にこもっていてあまり姿の見えないイメージがあった薬剤師は、今や、病棟で患者さんが適切な薬物治療を受けられるように服薬指導し、医療チームで専門知識を活かして議論をし、積極的に薬物治療に関わるようになっています。そして日々の業務の中で様々な臨床的問題を見いだして、問題を解決し薬物治療を向上させようと研究に取り組んでいます。本講義では、病院薬剤師の今の姿と、当院の薬剤部で行われている研究をご紹介させていただきます。

●第2回 11月10日 (金)

膵癌の生い立ちから治療を考える

名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器外科学分野 松尾洋一
癌は様々な臓器から発生しますが、他の癌にくらべて「膵癌」は極めて悪性度が高い癌です。早期発見が難しく、進行が早く、手術や抗癌剤治療を行っても十分な効果が得られないことを経験する難治癌です。膵癌はどのように発生するのか? 予防はできるのか? 膵癌になったらどうするのか?今回のメインテーマである「臨床とつながる最新研究」に基づき、私たちの研究成果と臨床のとりくみを、「膵癌の生い立ち」をふまえてお話しさせていただきます。

●第3回 11月17日 (金)

ED治療の現状 治療薬、食品、サプリメントについて

名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床薬剤学分野 堀田祐志
勃起不全(ED)にどのようなイメージをもたれるでしょうか? 加齢、QOL疾患、バイアグラⓇ、などでしょうか。実際には、EDは加齢だけでなく様々な疾患に併発して生じますし、心血管疾患の前兆として現れる場合もあります。また、バイアグラⓇのような経口治療薬が効かない症例も存在します。また、医療機関を受診せずにオンラインで治療薬を入手したり、食品成分やサプリメントに頼る方も多いようですが、安全性や効果はどうなのでしょうか? 本講義では、ED治療の現状、男性性機能に影響を与える食品やサプリメントについて紹介させて頂きたいと思います。

●第4回 11月24日 (金)

脂肪肝と肝がんの仕組みと予防法

名古屋市立大学大学院医学研究科 実験病態病理学分野 内木綾
近年、日本人の生活習慣や食事の変化により肥満が増加しています。肥満は、生活習慣病とよばれる様々な病気を全身に引き起こします。脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患がよく知られていますが、肝臓で発症した脂肪肝が肝炎やがんに発展し、生命を脅かすことがあります。本講義では、生活習慣病と関連して発症する脂肪肝とそれに引き続く肝炎やがんの関係について解説し、期待できる肝臓病の予防方法について、私たちの研究成果を中心にご紹介したいと思います。

●第5回 12月1日 (金)

がん薬物療法の進化、そして地域薬局と力を合わせて患者を見守る

名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 薬剤部 近藤勝弘
がん薬物療法は目覚しい進歩を遂げています。一方、その副作用は、時に治療継続を困難とし患者さんの生活の質を損なう原因となり依然大きな問題です。とりわけ外来通院治療においては、患者さん自身のセルフ・マネジメントを含めた適切な副作用対処が重要です。近年、副作用を予防し和らげるための薬物療法(支持療法)が進歩するとともに、病院-地域薬局の薬剤師が連携し外来患者さんを切れ目なく包括的にケアする「薬薬連携」の取り組みが行われています。本講義では、がん薬物療法や支持療法の進歩とともに、薬薬連携の取り組みについてご紹介したいと思います。

●第6回 12月8日 (金)

医療情報ビックデータを用いて医薬品の有効性や安全性を高める

名古屋市立大学大学院薬学研究科 レギュラトリーサイエンス分野 頭金正博
日常の医療活動から、様々な医療情報が発生します。例えば、電子カルテに記載されている患者の疾病に関連する情報があります。また、保険医療のデータであるレセプトデータ(診療報酬明細書)や副作用の発生に関する情報が医療情報として発生しており、これらの情報を集積した医療情報データベースが構築されています。これらのデータベースは医療情報ビックデータと言われています。この講義では医療情報ビックデータを用いて医薬品の有効性や安全性を評価することで、医薬品の有効性や安全性を高める研究について紹介します。

●第7回 12月15日 (金)

治療薬物モニタリング TDM ─ 薬による副作用を回避し、治療効果を最大限に高めるための方法 ─

名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床薬剤学分野 堀田康弘
治療薬物モニタリング(TDM)とは、血液中の薬の濃度に基づいて個々の患者さんに合わせた適切な投与量を決める方法です。具体的には、投与された薬の血中濃度を測定し、その濃度が治療効果や副作用発現の指標となる治療域の範囲内にあるかを確認し、治療域の範囲外であった場合や濃度依存的な副作用が認められた場合に投与量を調節します。治療指標や治療域は薬剤ごとに異なり、それらを最適化するための研究が国内外で進められています。本講義では、体内の薬の濃度を可視化することの重要性を説明し、実臨床のTDMの解析方法に触れて頂きます。

●第8回 12月22日 (金)

免疫システムを利用した健康維持と新薬開発

名古屋市立大学大学院薬学研究科 衛生化学分野 肥田重明
わが国では超高齢化社会に伴い健康維持に関する重要な課題が増えてくると考えられます。新型コロナウイルス、マダニによって媒介されるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの感染症のみならず、がんやリウマチ、アレルギーなどの炎症性疾患など、免疫システムの異常による慢性疾患で苦しむ患者も数多くいます。今後、これらの疾患に対するワクチンや抗体治療薬の開発が重要になってくることから、免役システムの基礎の理解とその応用についてお話ししたいと思います。