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山本ゼミ2025(医療チーム)~「日本のクリニックかんたんガイド」について


人文社会学部国際文化学科 山本明代ゼミでは、学生自身が興味や問題意識をもったテーマに基づきいくつかのチームに分かれ、2年生後期から3年生へとゼミ活動を進めていきます。今回は留学生を始めとした外国人の為の「日本のクリニックかんたんガイド」を作成した「医療チーム」の活動をご報告します。
【医療チーム】メンバー:人文社会学部 国際文化学科3年 森下航さん、キム・ユミンさん

企画の背景と動機

この医療チームの活動は、国際交流の会話から生まれました。交換留学生から「日本で病院やクリニックを受診したいとき、どうすればよいのか」と何度も質問を受けたことがきっかけです。
そこで留学生だけでなく、日本在住の外国人にも話を聞いたところ、「言葉が通じない不安から、痛みや不調があっても受診を我慢してしまうことがある」という声が多く寄せられました。私たちは、単なる情報不足ではなく、言語の壁による医療アクセスの不平等が問題だと考えました。
そのため、受診前に知っておきたい基本事項を一冊にまとめたリーフレットを作成し、実際に手に取ってもらえる形で提供することにしました。配布先として、本学国際交流センターや名古屋市国際センターなど、外国人が利用する場所に置き、必要な方に届けたいと考えています。

本学の国際交流センターに完成した冊子を届けました(写真左から森下さん、キムさん)

本学の国際交流センターに完成した冊子を届けました(写真左から森下さん、キムさん)

作成に向けたアンケート調査

内容が一方的にならないよう、留学生17名にアンケートを行いました。
受診時の困りごとや、受診をあきらめた理由、欲しかった支援について尋ねました。その結果、最も多かったのは、受診時に「自分の症状を正確に説明できないのではないか」という不安でした。
また、「受付から診察までの手順や仕組みが分かりにくく、行きづらい」という意見も多く、日本特有の手続きや流れの見えにくさが、受診行動を妨げていることが分かりました。私たちはこの結果を踏まえ、リーフレットを作成し、その役割を、心理的な不安を軽くすることと、医療システムの流れの理解を助けることの二点に定めました。

大学内のセミナー室でアンケート分析をしている様子

セミナー室でアンケート分析をしている様子

完成した冊子の概要と今後の展望

完成したリーフレットは、「やさしい日本語」を用い、漢字にはふりがなを付けました。
全5ページ構成で、内容は次のようなものです。
  • 1ページ目【病院へ行く前に準備するもの】= 保険証や現金など受診前に準備するものを掲載
  • 2ページ目【初診科を探す方法】= 症状に応じた診療科の選び方を紹介
  • 3ページ目【問診票、事前に練習してみましょう】= 問診票の書き方・記入例を紹介
  • 4ページ目【症状説明リスト】=「オノマトペ」とイラストを用い、指差し会話シート形式とすることで、痛みの種類や程度を医師に伝えやすくなるよう工夫
  • 5ページ目【役立つ情報】=「かかりつけ医」の役割を説明し、日本で継続的に医療を受ける際のイメージづくりを手助け

リーフレットの表紙

リーフレットの表紙

1ページ目は保険証や現金など受診前に準備するもの

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2ページ目は症状に応じた診療科の選び方

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3ページ目は問診票の書き方

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4ページ目では「オノマトペ」

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5ページ目では「かかりつけ医」の役割を説明

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今後は国際交流センター等での配架に加え、以下からPDFをダウンロードすることもできます。スマートフォンからいつでも閲覧できるようにし、平常時にも緊急時にも頼りになる情報源にしたいと考えています。
※ダウンロードしたPDFを「A4横(両面)」に印刷し、3つ折りにするとリーフレットを作成することができます。