名古屋市立大学 大学院芸術工学研究科・芸術工学部

学部研究科概要

挨拶

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名古屋市立大学
芸術工学研究科長・芸術工学部長
草間晴幸

芸術と工学の融合

芸術工学部は「芸術と工学の融合」を創立の精神として、1996年4月に誕生しました。創立以来、既に20年が経過していますが、未だに、「芸術と工学の融合」は完成域には達していない感があると思っています。

私はいろいろな場所で類似の私見を述べていますが、「芸術と工学の融合」の具体的な例は映画の画像処理技術の中に見ることができます。映画の作成に使われるコンピュータ・グラフィックス(CG)技術の最近の発展には目を見張るものがありますが、映画にCGを導入することになった当初、映像デザイナーは既存のCG用ソフトウェアを利用していました。しかし、見る者に対してより訴求力のあるCGを作成したいという欲求が生まれた結果、映像デザイナーは科学者と協力して新しいCGソフトウェアを開発しました。代表的なものは竜巻を仮想体験できるCGです。科学者は竜巻の数理モデルである非線形偏微分方程式の3次元拡散方程式を構築し、その数値解析結果を可視化するために3次元空間内にパーティクルと呼ばれる色の付いた粒子を飛ばした。さらに、映像デザイナーが製作した3次元モデルの人間・動物・樹木などをパーティクルに付着させて3次元空間内で飛翔させた。そのCG映像は、見た者にこの上もない興奮を与え、ハリウッド映画史上画期的なソフトウェアの誕生となりました。この事実は「映像デザイナーと科学者による協働」がもたらした、真に「芸術と工学の融合」であると思っています。

今後、芸術工学に関係する教員や学生が、既存の研究領域の枠組みにとらわれることなく、常に新しい「芸術と工学の融合」を開拓することに努力していくこと、また、その成果を世界に発信することを期待します。

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