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細胞情報学


スタッフ

林 秀敏

林 秀敏
[教授]

井上 靖道

井上 靖道
[准教授]

宮嶋 ちはる

宮嶋 ちはる
[講師]

教育・研究

  • がんの生物学的特性の解明と新規分子標的薬の開発
  • TGFβシグナルとがんの悪性化メカニズムの解明
  • 小胞体ストレスをはじめとする細胞性ストレスと生活習慣病発症機構の解明
  • 代謝リプログラミングの理解と疾患発症予防への応用
  • 医薬品・毒物代謝のストレスによる影響

研究概要

1.がんの生物学的特性の解明と新規分子標的薬の開発
がん細胞は、正常な細胞の遺伝子に変異が生じることで発生します。総説「The Hallmarks of Cancer」では、がんの発生から悪性化、がん細胞の浸潤・転移の過程で様々な生物学的特性を獲得すると考えられています。その特性とは、持続的な増殖シグナル、増殖抑制の回避、細胞死に対する耐性、無制限な複製による細胞の不死化、腫瘍血管形成の誘導、浸潤・転移能の獲得の6つに加えて、近年では、エネルギー代謝異常、免疫監視機構からの回避、腫瘍促進炎症反応、ゲノム不安定化と突然変異の4つがあげられています。

これらがんの生物学的特性は、がん細胞が増殖・転移をする上で有利に働きますが、一方でこれらの特性はがん細胞にとってのアキレス腱ともなっています。当研究室では、これら生物学的特性のメカニズムを解明し、それに関与する細胞内外分子を標的としたがんの治療法の開発を進めています。
2.細胞に対するストレスと生活習慣病
糖尿病や高脂血症、あるいはがんなどの生活習慣病の発症や進行において、酸化ストレスや小胞体ストレス、低酸素、栄養飢餓といった様々な細胞が受けるストレスが深く関与していると考えられています。当研究室では様々なストレスに重要な役割を果たしている転写因子やその標的分子に注目して、ストレスの生活習慣病への関与についての研究を行っています。
3.ストレスに対する細胞応答に関する研究
細胞が受ける酸化ストレスや小胞体ストレス等、種々のストレスは必ずしも細胞にとって不利に働くばかりではなく、時に細胞の増殖や分化やあるいはその機能に重要な働きをしていることが分かってきました。当研究室では特に細胞の増殖や細胞死、あるいは分化にストレスがどのように関わっているかを研究しています。
4.TGFβを標的とした治療の開発
TGFβは免疫や炎症反応を抑制するとともに、細胞増殖を阻害するサイトカインであることから、その発現異常が免疫性疾患やがんなどの原因になることが示唆されています。私たちはTGFβのシグナル伝達機構を中心に、免疫担当細胞や膵β細胞、脂肪細胞などの機能に及ぼすTGFβの作用機序を研究しています。

図1 細胞性ストレスと生理的機能・病理的作用

様々な細胞性ストレスに対する応答の一つ、小胞体ストレス応答により誘導されたCHOP,TRB3が種々の生理機能に関与したり、様々な疾患の原因となったりしていることが明らかにされている。

図2 細胞性ストレスとがん化との予想モデル

細胞性ストレスによって誘導されたTRB3が細胞周期チェックポイントの抑制や、細胞増殖監視作用を有するサイトカイン、TGFβシグナルの阻害、各種ストレスによる細胞死への抵抗性獲得などにより、がん化、あるいは悪性化を導くことを推定している。

連絡先

〒467-8603
名古屋市瑞穂区田辺通3-1
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 医療機能薬学専攻
細胞情報学分野

E-mail:hhayashi<at>phar.nagoya-cu.ac.jp
TEL&FAX:052-836-3484

薬学研究科広報委員会