レギュラトリーサイエンス
スタッフ
荒川 大
[教授]
教育・研究
- 薬物安全性評価のための生体模倣モデルの作成
- 薬物トランスポーターを介した薬物副作用・薬物間相互作用
- 臨床データを活用した薬物動態・安全性に関わるメカニズム解明
- 尿毒症物質の動態や生理作用の解明
研究概要
安全性の高い医薬品創出には、有害事象のメカニズム解明や正確な評価が必要になります。しかし、医薬品の研究開発で用いられている現在の評価系では臨床で観察される有害事象を十分に予測できていません。当研究室では安全性の高い医薬品創出に貢献することを目指し、1) 従来よりも生理学生の高い細胞モデルの開発(生体模倣モデルやスフェロイド)、2) 臨床データを活用した薬物動態・安全性に関わるメカニズム解明、などを行っています。
1) 胆汁回収が可能な肝細胞培養系の構築
近年開発される薬物は分子量が高く、薬物代謝を回避する傾向があるため、薬物消失経路として胆汁排泄過程が注目を集めています。しかし、ヒトと実験動物では胆汁排泄に種差があり、実験動物による予測は不十分とされています。一方、ヒト肝細胞では細胞間に胆管ができるため、胆汁の回収ができない問題がありました。当研究室では胆汁回収が可能な肝細胞培養系に成功し、薬物胆汁排泄の評価手法として開発を進めています。
2) 薬物性腎障害の評価手法の開発
薬物性腎障害は臨床でもよく観察される有害事象ですが、実験動物による予測が難しいことが知られています。当研究室ではヒト近位尿細管上皮細胞のスフェロイド系や酸素透過膜を利用した腎臓組織培養により薬物性腎障害の予測方法の開発や、腎障害に関わる新しいメカニズム解明に取り組んでいます。
3) 小胞体トランスポーターの薬物代謝における役割
細胞内オルガネラである小胞体にはタンパク質合成を行うことに加え、薬物代謝酵素が発現し薬物解毒を行なっています。特にUDP-グルクロン酸転移酵素や加水分解酵素カルボキシルエステラーゼなどは代謝反応が小胞体の内側で行われ、代謝を受けるためには薬物は小胞体膜を透過する必要があります。この過程は代謝反応の律速過程(全体の速度を決める)とされてきましたが、詳細なメカニズムはまだよくわかっていません。当研究室では小胞体膜に局在するOAT2というトランスポーターが一部抗がん剤の輸送に関わり、代謝反応を制御し、また薬物間相互作用の作用部位となっていることを明らかとしました。この発見を基盤として、新しい小胞体トランスポーターの探索や、その役割解明に挑戦しています。
1) 胆汁回収が可能な肝細胞培養系の構築
近年開発される薬物は分子量が高く、薬物代謝を回避する傾向があるため、薬物消失経路として胆汁排泄過程が注目を集めています。しかし、ヒトと実験動物では胆汁排泄に種差があり、実験動物による予測は不十分とされています。一方、ヒト肝細胞では細胞間に胆管ができるため、胆汁の回収ができない問題がありました。当研究室では胆汁回収が可能な肝細胞培養系に成功し、薬物胆汁排泄の評価手法として開発を進めています。
2) 薬物性腎障害の評価手法の開発
薬物性腎障害は臨床でもよく観察される有害事象ですが、実験動物による予測が難しいことが知られています。当研究室ではヒト近位尿細管上皮細胞のスフェロイド系や酸素透過膜を利用した腎臓組織培養により薬物性腎障害の予測方法の開発や、腎障害に関わる新しいメカニズム解明に取り組んでいます。
3) 小胞体トランスポーターの薬物代謝における役割
細胞内オルガネラである小胞体にはタンパク質合成を行うことに加え、薬物代謝酵素が発現し薬物解毒を行なっています。特にUDP-グルクロン酸転移酵素や加水分解酵素カルボキシルエステラーゼなどは代謝反応が小胞体の内側で行われ、代謝を受けるためには薬物は小胞体膜を透過する必要があります。この過程は代謝反応の律速過程(全体の速度を決める)とされてきましたが、詳細なメカニズムはまだよくわかっていません。当研究室では小胞体膜に局在するOAT2というトランスポーターが一部抗がん剤の輸送に関わり、代謝反応を制御し、また薬物間相互作用の作用部位となっていることを明らかとしました。この発見を基盤として、新しい小胞体トランスポーターの探索や、その役割解明に挑戦しています。
連絡先
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〒467-8603
名古屋市瑞穂区田辺通3-1
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 医療機能薬学専攻
レギュラトリーサイエンス分野
E-mail:arakawa<at>phar.nagoya-cu.ac.jp
〒467-8603
名古屋市瑞穂区田辺通3-1
名古屋市立大学 大学院薬学研究科 医療機能薬学専攻
レギュラトリーサイエンス分野
E-mail:arakawa<at>phar.nagoya-cu.ac.jp