グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



SDGs活動紹介

ホーム >  SDGs活動紹介 >  生体内における糖鎖の構造、生合成、機能に関する研究

生体内における糖鎖の構造、生合成、機能に関する研究



活動の概要 糖鎖は、核酸、タンパク質に次ぐ第3の生命鎖として重要視されていますが、糖鎖の有する構造上の特徴(分岐性、構造異性、構成ユニットの類似性)から、他の生命鎖に比べて研究が遅れています。こうした状況のもと、私は、糖鎖のシークエンス解析法、立体構造解析法の開発を行ってきました。また近年は、糖鎖の生合成過程や生合成された糖鎖がいかに機能を発揮しているかなどにも着目して研究を行なっています。
関連URL http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/sbk/
researchmap URL https://researchmap.jp/read0149155
関連する論文 ・Yagi, H. et al. (2020) Nat. Commun. 11, 1368
・Yagi, H. et al. (2016) Mol. Cell Proteomics , 15, 3424-3434.
関連する特許 ・がんを認識する新規抗体(特願2020-168032)
・糖タンパク質の糖修飾(特願2018-047235)
・糖タンパク質の生産方法(特願2017-132312)
期待される効果、今後の展望 我々が所有する糖鎖エンジリアニングの技術は様々なバイオ医薬品の高機能化に応用可能と考えています。糖鎖の構造機能解析技術によって、がんや難治性疾患である天性筋ジストロフィーの新たな治療法の開発に寄与したいと考えています。主に免疫系、神経系における糖鎖の機能解明を目指して、研究をおこなっております。
所属 薬学研究科 生命分子構造学分野
氏名 矢木 宏和
専門分野 糖鎖生化学、構造生物学

図1

抗体は、免疫システムにおける主要な糖タンパク質です。生理的条件の変化や病態に依存して、抗体の糖鎖の発現パターンが際立って変動することや、構造生物学的アプローチによって抗体の糖鎖からフコース残基を取り除くことに伴いナチュラルキラー細胞を介した抗体依存性細胞障害活性が劇的に向上するメカニズムを明らかにしてきました。

図2

先天性筋ジストロフィーの患者には、細胞膜上に存在するタンパク質であるα-ジストログリカン(αDG)上の糖鎖の発現異常が認められています。先天性筋ジストロフィーの原因遺伝子の1つであるAGO61が欠損したマウスを作成し、生体内におけるAGO61の機能を明らかにしています。さらにはこうした研究から、ジストログリカン上にがん特異的に発現する糖鎖の存在も見出しております。