第51回「井上春成賞」を受賞「温度受容体の制御成分を活用した高機能化粧品の開発」
概要
名古屋市立大学なごや先端研究開発センターの富永真琴特任教授と株式会社マンダム(本社:大阪市、社長執行役員:西村健)は、「温度受容体(細胞の感覚センサー“TRPチャネル”)の制御成分を活用した高機能化粧品の開発」により、「第51回井上春成(いのうえはるしげ)賞」を受賞し、令和8年7月23日(木曜日)に表彰式が執り行われましたので、お知らせいたします。
「井上春成賞」は、大学等や研究機関などの独創的な研究成果をもとにして企業が開発、企業化した技術であって、科学技術の進展に寄与し、快適な社会の形成、経済の発展、健康福祉の向上などに貢献したものの中から特に優れたものについて研究者および企業を表彰するものです。化粧品使用時の刺激など、生活者が抱える悩みを研究し、その解決方法が広く応用された技術への受賞は今回が初(注1)となります。
(注1)参照:https://inouesho.jp/jyusyou/index.html
「井上春成賞」は、大学等や研究機関などの独創的な研究成果をもとにして企業が開発、企業化した技術であって、科学技術の進展に寄与し、快適な社会の形成、経済の発展、健康福祉の向上などに貢献したものの中から特に優れたものについて研究者および企業を表彰するものです。化粧品使用時の刺激など、生活者が抱える悩みを研究し、その解決方法が広く応用された技術への受賞は今回が初(注1)となります。
(注1)参照:https://inouesho.jp/jyusyou/index.html

贈呈式の様子(於:日本工業倶楽部会館)
名古屋市立大学 特任教授 富永真琴氏(右)、井上春成賞委員会 委員長 橋本和仁(科学技術振興機構 理事長)(中央)、
株式会社マンダム 社長執行役員 西村健氏の代理としてChief Technology Officer (CTO) 浅田拓二(左)
受賞のポイント
- 化粧品を使った時の様々な感覚刺激にTRPA1が関与したことを見出しました。
- TRPA1の抑制剤である「炭酸アンモニウム」、「ユーカリプトール」、「イソボルニルオキシエタノール」などを発見しました。
- TRPA1と同じく感覚刺激に重要な働きを有するTRPV1の抑制剤として「メントール」、「メンチルグリセリルエーテル」、「カミツレエキス」などを発見しました。
成果・結果

今回の受賞対象である「細胞の感覚センサー“TRPチャネル(右図)”の研究」は、化粧品や医薬部外品の使用時におこる不快な刺激感覚に着目し、富永真琴特任教授と株式会社マンダムが2005年から20年にわたり取り組んできたものです。その中で、ワサビの主成分の受容体であるTRPA1が防腐剤のパラベン類、ヘアカラーに配合されるアルカリ剤、まれに皮膚上での感覚刺激の原因になる中鎖アルコール、または、眼や鼻に混入すると痛みを引き起こす低浸透圧液により活性化し、刺激の原因になっていることを突き止めました。さらに、TRPA1の抑制剤である「炭酸アンモニウム」、「ユーカリプトール」、及び、「イソボルニルオキシエタノール」などの化粧品に使える安全な成分を見出しました。また、酸などの一部の化粧品成分によるTRPV1の活性化も不快感に繋がることから、「メントール」、「メンチルグリセリルエーテル」といった清涼成分や、植物抽出液である「カミツレエキス」がTRPV1の抑制効果を持つことも見出しました。
期待できる効果
これらのTRPA1、TRPV1抑制剤は2008年以降、感覚刺激の少ないヘアカラー、クレンジング、清涼化粧品、ウェットシート剤、シャンプー、スキンケア剤等に、その応用が広がっています。
名古屋市立大学と株式会社マンダムは、今後も生活者にとっての「新たな価値づくり」を目指し、TRPチャネルのさまざまなメカニズム解明や活性制御成分の探索などの研究開発を継続的に取り組んでまいります。
名古屋市立大学と株式会社マンダムは、今後も生活者にとっての「新たな価値づくり」を目指し、TRPチャネルのさまざまなメカニズム解明や活性制御成分の探索などの研究開発を継続的に取り組んでまいります。