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「名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療班」継続は力なり、今夏も1か月間活動!


「名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療班」は、北アルプスの蝶ヶ岳山頂(2,677m)直下にある「蝶ヶ岳ヒュッテ」内の診療所にて活動し、今年で28年目になります。新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年と令和3年の診療活動は中止、令和4年から規模縮小にて再開、昨年は学生37名、医療スタッフ22名で33名の患者診療(急性高山病36%、外傷21%、筋肉痛・関節痛7%、虫刺症3%、その他33%)を行いました。
今年も学生・卒業生、医療者スタッフが活動に参加します。現在、学生と教員が協力して7月26日(土曜日)の診療所開所に向けて準備を進めています。
私たちは、安全登山の啓発にも積極的に取り組んでおり当該活動は研究と教育の場となっています。平成29年にはボランティア山岳医療活動に対して北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会から感謝状をいただきました。
「壮行会」を下記のとおり開催します。取材をご検討いただきますようよろしくお願いいたします。


1 日時  令和7年6月1日(日曜日) 正午から午後1時30分
2 場所  名古屋市立大学医学研究科研究棟11階、講義室A
3 対象者  学生部員、卒業生、医療スタッフ、関係者など
4 内容  各学生登山班の班長の決意表明など
5 参加費  無料(事前申し込み不要、直接会場にお越しください)
6 URL  http://chogatake.umin.jp

私たちの活動の一部を紹介させていただきます

1 壮行会(毎年6月)
診療活動の決起会として壮行会を行います。代表から重要事項の確認、運営委員長から診療班の歴史、各学生班長から取り組みへの意気込みなどを話してもらいます。

2 山岳医療活動 診療所開所期間(7月26日(土曜日)から8月24日(日曜日))
学生が交代で蝶ヶ岳ヒュッテに宿泊して医療スタッフの診療活動をサポートします。例えば、問診や診察の補助、薬剤やガーゼなどの管理と補充を行います。学生は診療所内に24時間待機し早朝や夜間でも患者さんを受け入れる体制を整えています。診療所の周知や体調不良者の早期発見を目的として登山者に対する声かけ活動(予防的介入活動)を継続して行っています。

3 運営会議(通年)
毎週月あるいは火曜日に学生と教員が診療所開所に向けて必要事項を検討しスケジュールに合わせて準備を進めます。

4 勉強会(通年)
診療サポートに必須な技能と知識をつけることを目的とした勉強会を毎週行っています。勉強会のテーマは「患者さんの話を聞く医療面接」「体温、血圧、脈拍の測定方法」のような基本技術から、「高山病の症状と予防」「薬の使い方」などの専門知識まで幅広い内容です。これは学生により企画運営され皆熱心に取り組んでいます。

5 連携施設訪問(毎年5月)
当該診療所では例年100から200名の受診者があります(規模縮小のため直近3年間は受診者54名)。病態によってはヘリコプターによる搬送、下山後の医療機関受診を指示する場合があります。毎年5月に、安曇野赤十字病院(安曇野市)、相澤病院(松本市)や日本大学医学部徳沢診療所(上高地)、長野県警察本部航空隊(松本空港内)に教員が訪問しています。

6 報告書発行(毎年3月)
名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療班では毎年の活動内容をまとめた報告書を作成してホームページに公開しています。(2024年度報告書はA4サイズ全76ページ)
http://chogatake.umin.jp/syoukai.html

診療活動への取り組みを紹介する資料

医療スタッフ募集ポスター(学内に掲示します)

医療スタッフ募集ポスター (学内に掲示します)

猪熊隆之氏による教育講演会
6月17日(火曜日)午後5時、オンライン開催(Zoomミーティング)、新入部員が決まり3回の練習登山が完了して実際の診療活動が始まる約1か月前に行っています。気象現象の基本と応用、蝶ヶ岳の気象特性、落雷時の対応など2時間の講義です。

講演案内ポスター

予防的介入活動で登山者に配布するカード(名刺サイズ、二つ折り)
私たちが継続的に取り組んでいる「安全登山の啓発活動」のひとつ。蝶ヶ岳登山での水分補給1.5から2Lは、私たちが行った研究結果(酒々井眞澄他、蝶ヶ岳での登山中の水分摂取量と急性高山病発症との関連、登山医学 37: 144-149, 2017)に基づいています。

登山者への配布カード

高山病予防啓発ポスター
(蝶ヶ岳ヒュッテ・上高地の徳沢ロッヂ・安曇野市の三股登山口に掲示します)

高山病についてのポスター

診療所の前で開所式
開所の初日には「名古屋市立大学蝶ヶ岳ボランティア診療所」の看板を取り付けます。(閉所日には取り外します)

診療所の前で開所式

診療所内の様子
診察用具、カルテ、パソコン(ネット環境含む)、診療用参考資料、患者はがき(受診後フォローアップ用)、予防的介入カード、薬剤、酸素ボンベ、衛生材料などが整理された状態で置かれています。

診療所内の様子

毎日午後8時に行う医療スタッフと学生との症例検討会(診療所内)
受診者の問診を担当した学生が主訴や行動歴、摂取水分量、Lake-Louise Score等をサマリーし、診察を担当した医師は所見や処置、行動指導などについて説明します。当日の全受診者について山頂報告として関係者内で情報共有します。

症例検討会の様子

蝶ヶ岳ヒュッテと診療所
(医療スタッフの下山時に学生が手を振って見送る様子)

蝶ヶ岳ヒュッテと診療所