鉱物の“ナノ縞模様”の起源を解明――結晶が自ら作る周期構造(三浦准教授)
| 研究分野 | 物質科学(結晶成長学) |
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| 掲載誌 | Contributions to Mineralogy and Petrology |
| 論文題目 | Reproduction of ultra-fine oscillatory zoning by direct numerical simulations of step dynamics considering impurity-induced crystal growth inhibition |
| 著者 | Hiroki Torii (1), Hitoshi Miura |
| 所属機関 | 名古屋市立大学 |
| 学生著者 | (1)三浦研修士修了生 |
| 概要 | 鉱物の中には,化学組成がナノメートルスケールで変化する周期構造(波動累帯構造)を示すものがあります。本研究では,その形成原因として,結晶表面に吸着した不純物が結晶成長を一時的に妨げる効果に注目しました。数値シミュレーションにより,外部環境が一定でも,結晶表面での不純物の吸着・脱離と,周囲の溶質濃度の変化が組み合わさることで,結晶成長が自発的に速くなったり止まったりすることを示しました。その結果,結晶内部に不純物が周期的に取り込まれ,数〜十数 nm程度の非常に細かい組成縞が再現されました。この成果は、天然鉱物に見られる微細な組成構造が,外部環境の変動ではなく,結晶成長そのものが持つ自己組織化によって生じる可能性を示すものです。 |
| 掲載日 | 21 May 2026 |
| DOI | doi.org/10.1007/s00410-026-02323-y |
| 備考 |

鉱物の結晶成長における自己組織化モデル。結晶表面には原子スケールの段差(ステップ)が存在し,溶質分子がステップに組み込まれることでステップが前進し,表面が一層ずつ成長していく(層成長機構)。結晶表面に吸着した不純物分子は,ステップ前進を阻害する。これらの結晶成長機構を,溶液中の溶質分子の拡散輸送と合わせて数値計算することで,鉱物に観察されるナノスケールの周期構造を再現した。
