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研究業績

M87ジェットの「横揺れ」は波だった――ブラックホール噴出流の内部構造に新知見(秦准教授)


研究分野 物質科学(宇宙物理学)
掲載誌 The Astrophysical Journal
論文題目 Transverse Oscillations and Wave Propagation in the Magnetically Dominated M87 Jet
著者 H. Ro, M. Kino, K. Hada, Y. Mizuno, Y. Cui, K. Yi, T. Kawashima, J. Park, B. W. Sohn
所属機関 韓国天文硏究院、工学院大学、名古屋市立大学、国立天文台、上海交通大学、キョンヒ大学、一関高専、延世大学、華中師範大学
概要 巨大楕円銀河M87の中心には、太陽の約65億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールが存在し、そこから細く長い電波ジェットが噴き出しています。本研究では、日本と韓国の計7台のアンテナからなる電波望遠鏡ネットワークを用いてM87ジェットを精密観測し、このジェットに見られる周期的な横揺れを詳しく調べました。その結果、この揺れが単なる局所的な変動ではなく、ジェット内部を下流へと伝わっていく「横波」として振る舞っていることを突き止めました。こうした波は、ブラックホール近傍の活動に起因する可能性に加え、ジェットの伝搬過程で生じる不安定性によって形成される可能性も考えられます。本成果は、ジェット内部で何が起きているのかを読み解く新たな手がかりを与えるものです。
掲載日 2026年3月2日
DOI 10.3847/1538-4357/ae355b
備考 国立天文台水沢VLBI観測所 成果報告webサイト
https://www.miz.nao.ac.jp/veraserver/news/reports/20260409_M87wave/index.html

この研究は、文部科学省/日本学術振興会科学研究費補助金(21H04488, 22H00157, 23H00117, 25H00660)、三菱財団(202310034)、大幸財団(J0SE807004)、名古屋市立大学 卓越研究グループ支援事業(2530002)、国立天文台大学支援経費他、国際的な支援を用いて行われたものです。

中央パネル:M87ジェット輝度分布の稜線の時間変化(2013年12月から2016年6月の観測期間)。灰色で示された等高線はM87ジェット輝度分布を表します。すべての画像はジェット軸が水平方向に揃うよう、時計回りに18度回転されています。白い矢印は、稜線の動きの解析から得られた横波の全長を示しており、その値は約2.5光年です。この波の見かけの伝播速度は光速の約2.8倍に達します。

周囲の4パネル:コアから1, 3, 7, 11ミリ秒角の距離における各断面において観測された横方向振動を示しています。データ点は観測された横方向変位、実線は最良フィットモデルを示しています。横軸は時間(年)、縦軸はジェット軸に対する横方向の変位(ミリ秒角)です。振動周期は約0.94年です。

クレジット: Ro, Kino, Hada et al. (2026), ApJ

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