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宇宙航空医学認定医講習会(2025年11月10-12日)への参加報告


このたび、なごや宇宙医学・歯学研究所 副所長の 岡田淳志医師(本学大学院医学研究科 腎・泌尿器科学分野 准教授)が、2025年11月10日から12日にかけて開催された「第18回 宇宙航空医学認定医講習会」に参加しました。

本講習会は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などを会場として実施された3日間の集中プログラムで、宇宙や航空といった非日常の環境において、人の体がどのような影響を受けるのか、また、その健康と安全をどのように守るのかについて、第一線の専門家から学ぶ内容となっています。

講習では、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)での生活や、微小重力環境が骨や筋肉、体液バランスに与える影響、さらに、放射線や閉鎖環境下での医学的リスク管理など、普段の生活では体験することのない「宇宙ならではの医学」が、実例を交えて紹介されました。

岡田医師は、これまでNASAおよびJAXAと連携し、宇宙環境における尿路結石リスクとその予防に関する共同研究を進めてきました。現在はさらに一歩進め、iPS細胞を用いた宇宙環境下での人体変化を解析する研究に向けた準備も進めています。これは、宇宙という極限環境を「実験室」として活用し、将来の宇宙探査だけでなく、地上に暮らす私たちの医療や健康管理にも役立てようとする試みです。

今回の講習会で得られた知見は、宇宙飛行士の健康管理にとどまらず、高齢者医療や長期臥床患者のケア、医療安全の向上など、私たちの身近な医療にもつながる可能性を秘めています。
なごや宇宙医学・歯学研究所では、宇宙という非日常の視点から医学を見つめ直し、未来の医療と人々の健康に貢献する研究・教育活動を今後も進めてまいります。