グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  専攻・講座案内 >  不育症研究センター >  イベント等のお知らせ

イベント等のお知らせ



着床前スクリーニングに関するお知らせ

名古屋市立大学不育症研究センターにおいて、着床前スクリーニングの臨床試験が始まります。日本産科婦人科学会が主導して、名古屋市立大学不育症研究センターが研究代表施設として多施設共同研究を行います。
不妊治療技術のひとつである体外受精・胚移植法は、一般不妊治療として広く行われるようになり、わが国では21人にひとりの新生児が体外受精・胚移植の高度生殖補助医療により生まれています。最近では、治療を受ける女性の高齢化などにより、何回治療してもなかなか妊娠に至らない例や、流産を繰り返して赤ちゃんが産めない例が増えてきました。この理由のひとつに受精卵の染色体の数の異常があります。染色体数に異常があると、着床しなかったり流産したりしてしまいます。
そこで、比較ゲノムハイブリダイゼーション法という最新の遺伝解析技術を用いて受精卵の染色体数を調べ、数の異常がない受精卵を子宮に戻すことで、妊娠率、出産率を高め、流産率を減らそうというという試みが行われるようになってきました。この解析技術を着床前スクリーニング(PGS)と呼びます。
受精卵を網羅的に調べるということは、病気のお子さんを産まないようにすることが生命の選別である、優生思想である、といった倫理的な批判もあります。日本産科婦人科学会は倫理的理由からPGSを禁止してきましたが、欧米ではすでにかなり以前から行われています。この方法は、理論的にはうまく行きそうに見えますが、実は本当に出産率が高まるのかについてはまだ結論が出ていません。
習慣流産の原因には、抗リン脂質抗体症候群、夫婦染色体構造異常、子宮奇形等が知られていますが、約70%が原因不明であるといわれています。夫婦染色体が正常でも胎児の染色体数的異常が繰り返され、結果的に習慣流産となっている例が40%程度存在することがわかっています。しかし、胎児染色体検査が普及していないため、こうした症例は原因不明習慣流産として扱われてきました。そこで、これから体外受精・胚移植を予定している原因不明習慣流産の方を対象として、PGSが有効かどうかを調べようというのが本試験の目的です。
PGSの有効性を調べるために、PGS実施群と非実施群に無作為に割り付けて出産率を比較する手法が最も信頼性の高い研究方法です。このような方法をランダム化比較試験といいます。
しかし、このランダム化比較試験を行うにも、一体何人の人に参加して貰えば正しいデータが得られるのかも分かっていません。そこで、まず少人数の方に参加していただき、本試験で何人の参加者が必要かなどを計算するための予備試験を行います。こうした予備試験をパイロット試験と呼んでいます。ふたつのパイロット試験にそれぞれ40人の患者さんにご参加いただきます。

「原因不明習慣流産(反復流産を含む)を対象とした着床前遺伝子スクリーニング(PGS)の有用性に関する多施設共同研究のためのパイロット試験」

対象患者さんの条件
  1. 2回以上流産
  2. 流産児の染色体数的異常が判明している
  3. 不妊症のために体外受精を実施している
  4. 35歳から42歳の女性

「反復体外受精・胚移植(ART)不成功例を対象とした着床前遺伝子スクリーニング(PGS)の有用性に関する多施設共同研究のためのパイロット試験」

対象患者さんの条件
  1. 不妊症のため体外受精を行っている
  2. 過去に臨床的妊娠の経験がない
  3. 形態良好胚を移植しても、3回以上着床不全(胎嚢が確認できなかった生化学的妊娠はART不成功に含める)を繰り返している
  4. 35歳から42歳の女性

キックオフセミナー

平成27年7月25日(土曜日)にウインク愛知
において不育症研究センターのキックオフセミナーが開催されました。
郡健二郎学長のご挨拶に続いて、文部科学省学術機関課長の牛尾則文様から共同研究拠点「不育症研究センター」の事業を通じて、少子化対策に直結するこの疾患が国民に広く周知されることが期待されているとのご説明をいただきました。その後、
徳島大学産科婦人科苛原稔教授(日本生殖医学会理事長、日本産科婦人科学会倫理委員長)による「不妊症診療と生殖補助医療」
不育症研究センター杉浦真弓センター長による「不育症のエビデンスと共同研究拠点の目指すもの」と題した講演会を開催しました。
当日は医療従事者を中心として95名の方に参加いただきました。

PDFファイルをご覧になるためには、AdobeReader® が必要です。パソコンにインストールされていない方は右のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。

※クリックで拡大します

高校生のためのHands on seminar「遺伝子変異の見つけ方」

平成27年度

平成27年8月12日(水曜日)に不育症研究センターにおいて「アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子多型を調べる」Hands on Seminarを開催しました。
我が国の遺伝医学教育は不足しており、遺伝の意味が十分理解されていない現状があるため、高校生を対象としたHands on seminarにより、将来この分野の研究を目指す若手が増加することを目指しています。愛知県内の高校生4人が参加してくれました。実験の合間に名古屋市立大学Sakura Side Terraceでイタリアンを食べながら皆さんの進路についておしゃべりしました。

平成28年度

平成28年7月30日(土曜日)不育症研究センターにおいて「エコノミークラス症候群の遺伝子を見つける!」と題して、プロテインS徳島という日本人に多い血栓症を起こしやすくする遺伝子変異を調べるHands on Seminarを開催しました。愛知県内の高校生11人が参加してくれました。

皆さん熱心にシークエンスの実験を行い、プロテインS徳島を調べることができた人、できなかった人も、実験終了後は不育症研究センターにおいてスイーツを食べながら解析結果の意味を勉強しました。

平成30年度

平成30年7月27日(金曜日)に不育症研究センターにおいて「遺伝子変異の見つけ方」Hands on Seminarを開催しました。高校生を対象としたHands on seminarにより、将来この分野の研究を目指す若手が増加することを目指しています。愛知県内の高校生10人が参加してくれました。アルコールに反応するDNAを確認するPCRを用いた実験や、午後は遺伝カウンセラーさんからの話を聞きました。

第10回 女性の健康週間 in Nagoya 「哺乳類としての妊娠適齢期」

平成28年3月13日(土曜日)ウインク愛知において、日本産科婦人科学会と厚生労働省が提唱する女性の健康週間の市民公開講座を行いました。
不育症研究センターでは、妊娠の高齢化が進み、不妊症・不育症が激増している状況をかんがみ、適切な時期に出産することの重要性を啓発することで不育症・不妊症を予防する目的で女性の健康週間in Nagoyaを10年間開催してきました。
講演内容は、
  • 杉浦真弓センター長による「哺乳類としての妊娠適齢期」
  • 尾崎康彦副センター長による「我慢しないで!生理の痛み―ライフスタイルに合わせた子宮筋腫の治療方法」
  • 蛯原英里 スペシャルトークショー
スギ薬局に特別共催していただき、760人の方にご参加いただきました。

次回は平成29年3月18日(土曜日)に国際会議場で開催いたします。多くの方のご参加をお待ちしております。

第1回女性の健康とライフデザイン・セミナー

平成28年10月29日(土曜日)ミッドランドホールにおいて、医療従事者を対象としたセミナー「女性医療の支援課題~不育症の理解と患者支援に向けて」を開催しました。
  • 杉浦真弓センター長による「女性医療の支援課題-不育症の理解と患者支援に向けて」
  • 尾崎康彦副センター長による「不育症患者さんのサポート~こころとからだに寄り添う」
  • 電話相談「豆柴ダイヤル」の相談員であり臨床心理士の三木有希センター員による「豆柴ダイヤルの取り組みとこころのサポート」
  • 不育症そだってねっと仙台支部代表松本真理子さんのファッシリテートによるトークセッション「よりよい不育症患者サポートのために」
というユニークなセミナーをヴォーパル・ウィメンズヘルス株式会社に共催していただきました。34人の看護師、助産師の皆さんに熱心に勉強していただきました。