名古屋市立大学 大学院人間文化研究科・人文社会学部

人間文化研究所

サイエンスカフェ

【開催報告6月2日】サイエンスカフェ 中野有美教授 「マインドフルネス~座学と体験から学ぶ~」

[2018年09月19日]
第85回Human & Socialサイエンスカフェ
日時:2018年6月2日(土)15:00~17:00
講師:中野有美教授(臨床心理学)
テーマ:「マインドフルネス~座学と体験から学ぶ~
内容:
最近、こころの健康分野で、マインドフルネスが脚光を浴びています。数多あるストレス対処において、マインドフルネスの位置づけを説明した後に、マインドフルネスな状態になるとはどのようなことか、皆さんと一緒に体験しながら理解を深めていきます。
参加記:
マインドフルネスとは,「今,この瞬間の体験に意図的に意識を向け,評価せずに,とらわれない状態で,ただ観ること」と定義される。マインドフルネスの状態にあると,ある出来事によってふと何か考えが浮かんだとしても,それを浮かんだままにしておくので,考えから距離を取ることになり,ぐるぐる考え込んだり不安が膨らんだりすることがなくなるという。本講座では,ヨガやレーズンエクササイズを実践することで,マインドフルネスの状態を体験することができた。
また,本講座では,近年の脳科学の研究で,マインドフルネスの実践によって脳の器質的変化が生じることが紹介された。つまり,筋トレによって筋肉量が増加することで運動パフォーマンスが向上するように,マインドフルネスによって脳容量が増加することで認知のパフォーマンスが向上するらしいのである。しかし,筋肉量は筋トレを継続しなければ減少するように,脳容量もマインドフルネスの実践を継続しなければ減少する可能性がある。うつ病の再発予防について,マインドフルネスを実践している群と薬物療法により維持する群を比較すると,マインドフルネスのトレーニングを受けた15カ月後ではマインドフルネスを実践している群の方が明らかに再発率が低いにもかかわらず,25カ月後になると両群の再発率に差はなくなってしまう。中野教授は,治療者側が患者さんのマインドフルネスの実践状況を1年に1回くらいフォローアップすることの重要性を示唆しているといえる,という見解を述べていたが,私もその通りだと思った。そして,さらに言えば,専門家と相談できる環境の中で,毎日の生活の中で実践できる自分と自分の生活に合ったマインドフルネスの技法を身に着けていくことがより着実なのではないか,と考えた。
飯田彩斗(人間文化研究科前期課程院生)
  • マインドフルネス~座学と体験から学ぶ~会場の様子

    マインドフルネス~座学と体験から学ぶ~会場の様子