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令和4年 春の叙勲について


令和4年4月29日に春の褒章が発令され、本学の福吉勝男名誉教授、安田秀雄名誉教授、清水興安名誉教授が瑞宝中綬章を受章されました。

福吉名誉教授写真

福吉名誉教授

福吉名誉教授は、長年にわたりドイツ近代哲学の研究に務められ、特に『自由の要求と実践哲学―J.G.フィヒテ哲学の研究』(1988年)は希少の本格的なフィヒテ研究書となっています。精力的にヘーゲル哲学の研究に向われ、現代的意義を再評価する数冊の著書を刊行し、『ヘーゲルに還る―市民社会から国家へ』(1999年)や『使えるヘーゲル―社会のかたち、福祉の思想』(2006年)は現代の公共哲学との関連において大きな反響を得ています。
また、本学の管理運営面においても、平成8年4月から平成16年3月まで名古屋市立大学評議員を、平成12年4月から平成16年3月まで名古屋市立大学人文社会学部長・人間文化研究科長を、平成19年4月から平成23年3月まで理事長補佐・学長補佐を務めるなど、名古屋市立大学の発展に尽力されました。


安田名誉教授写真

安田名誉教授

安田名誉教授は、永年にわたって理論化学および物性理論の教育、研究に努め、特に、分子結晶中での分子間相互作用に対し、2中心展開公式を用いる新計算法を提唱され、現在では分子集合体中の分子運動を理論的に解明する上で不可欠なものとなっています。さらに2種類の物質の層が多数規則的に積み重なって出来る人工格子の表面波が、表面層の半分を残し内部は平均で置き換えれば求めることが出来るという新規のモデルを見いだされており、今後の応用が期待されています。
教育面では、教養教育における「物理化学」や「基礎化学」において理論的な考え方を中心とした特色ある化学教育を行うとともに、医学部・薬学部・看護学部の基礎教育における「自然科学実験」では実験を通じた学生教育にもご尽力され、大きな教育効果を上げられました。

清水名誉教授写真

清水名誉教授

清水名誉教授は、フェノール誘導体の光イオン化機構を解明すると共に、光増感による一重項酸素の生成・消滅機構を初めて解明されました。両機構においては、励起分子と溶媒、或いは励起分子と酸素分子との前駆体(エキサイプレックス)の形成が本質的に重要であり、エキサイプレックスを電子の離脱、溶媒による蛍光の消光機構に初めて関連づけられました。これらの研究は関連する光物理学、光化学の基礎分野で重要な貢献をなしています。
教育面では、全学教養教育の物理学全般に携わり、特に「熱力学」、「近代物理学」という既修者にも難解な分野の講義を初学者にも理解し易いように演示実験を多く取り入れながら実施され、大学院の講義「分子分光学」でも実験装置を利用して学生に分かり易く伝える努力をされ、大きな教育効果を上げられました。
この度のご受章を心よりお祝い申し上げますとともに、今後のご健勝と益々のご活躍をお祈りいたします。