名古屋市立大学 大学院人間文化研究科・人文社会学部

人間文化研究所

サイエンスカフェ

【開催報告2017年6月17日】サイエンスカフェ 林浩一郎准教授 『リニア・インパクト』を見据えた都市戦略―名古屋駅西側の再編をめぐる「まちづくり体制」の構築―

[2017年05月09日]
第81回 Human & Social サイエンスカフェ
日時:2017年6月17日(土)15:00~17:00
講師:林浩一郎准教授(地域社会学・都市社会学)
テーマ:「『リニア・インパクト』を見据えた都市戦略―名古屋駅西側の再編をめぐる「まちづくり体制」の構築―
内容:
戦後の混乱期から発展した名古屋駅西側は、リニア開発を見据えてどのような「まちづくり体制」を構築するのか。都市再生、リニア駅上部利用開発、リノベーションまちづくりなど、マクロな都市開発とミクロなまちづくり活動の展望を考察します。
参加記:
私は、神社での雅楽や八雲琴の祭典奏楽の継承活動などを通じて、地域づくりに関わっていきたいと考えています。林准教授が研究対象にされている駅西には、「椿神明社」「水野社」という、地域の方々に大切にされてきた二つの神社があります。偶然にも、私は、二つの神社の祭典奉仕に関わっており、氏子さん達が生まれ育った地域をとても大切にされていることを肌で感じています。今回の講義は、当事者の気持ちが少し入り混じった生活者ではない者、という微妙な立場で受講しました。
林准教授は、経済効率優先という価値観だけでは切り捨てられてしまいかねない、そこに生きる人たちのまちへの「愛着」「誇り」という部分に光を当てようとされていると感じました。駅西の地域社会は、リニア開発に飲み込まれ、「発展」どころか、「衰退」する可能性もあるのでは?と問題提起をされ、具体策の一つとして、「家賃断層帯」などを参考にした「リノベーションまちづくり(今あるものを活かし、補助金にはできるだけ頼らず、新しい使い方をして、まちを変えること)」が示されました。関連して、名古屋市立大学の学生さんによる「駅西あさごはん」という画期的な企画も紹介されました。
講義終了後、意見交換となりましたが、その内容は、とても興味深いものとなりました。受講者の発言で印象に残ったのは、「リノベーションまちづくりは甘い考え。地域住民・商店などの持っている権利を殺し(権利を公に戻す)、再開発すべき」「商業施設を誘致して税収を増やすことが第一」という、林准教授の対極にある意見でした。意見交換を聞きながら、何が良い未来につながるのかを考えていましたが、自分の中で、答えは見つかりませんでした。
駅西には、かつて伊勢神宮の御神領地で、お伊勢川(笈瀬川)と名付けられた川がありました(今は道路の下です)。「椿神明社」は外宮を模して創られた神社、笈瀬川を挟んで南東にある牧野神明社は内宮を模して創られた神社です。私は、そこに生きる人たちのまちへの「愛着」「誇り」が「まちづくり」と合致していた時代がかつてあったと確信しています。私は、林准教授の熱い想いに、共感しています。
「アユチ雅楽会」「八雲琴の会」 渡邊

pdf版の開催案内(会場への地図あり)(1.1 MB)

  • 林先生(左)と会場の様子(右)

    林先生(左)と会場の様子(右)