名古屋市立大学 大学院人間文化研究科・人文社会学部

人間文化研究所

サイエンスカフェ

【開催報告4月16日】第75回:たかが冠詞(名詞形)、されど冠詞(名詞形) 日木満教授(英語言語学)

[2016年05月23日]
第72回 Human & Social サイエンスカフェ
日時 2016年4月16日(土) 15:00 - 17:00
内容 講義名:シリーズ「欧米」を考える(6)
「たかが冠詞(名詞形)、されど冠詞(名詞形)~日英語比較言語学の世界へようこそ~」
講師名:日木満 教授(英語言語学)
初めに日木先生は名詞形の違いによるびっくりするような意味の違いを紹介しますと言われた。どの名詞の単語を使うか、そしてその名詞のどの名詞形(a, the, one's ?sの有無)を使うかによって、ネイティブの人たちが意味を使い分けていることを紹介されて、たしかに私たちは気づいていなかった意味の違いにおどろいた。ここまでなら手品を見て「すごい」と思うだけだが、日木先生は見事に種明かしをされた。なぜ、そのような意味の違いが生じるのかを新しい見方・考え方で解明された。先生が命名された「動詞的名詞」と「名詞的名詞」という2種類の名詞の違いが、どの名詞形が使われるかにつながる。「動詞的名詞」は名詞の前に冠詞も何もつかない。それによって、意味が「名詞的名詞」とは異なる動詞的意味が現れることを説明された。
名詞を「可算名詞・不可算名詞」と区分する常識的な考えに固執しない新しい見方・考え方を知って私を含む多くの人がなるほど、「たかが名詞」ではないと思っただろう。
コミュニケーションでは伝える側である話者が使う言葉に責任を持たなければいけない。たとえば名詞形を正しく使いこなしていない場合、情報を正しく伝えることができない可能性も生まれる。コミュニケーションで誤解が生じないためにも、少しでも自信をもって英語で伝えるためにも名詞形の使い方をだれもが正しく即判断できるように、日木先生の研究がまとめられることを願いたい。
(人間文化研究科後期課程満期退学 伊藤 泰子 )