名古屋市立大学 大学院人間文化研究科・人文社会学部

人間文化研究所

マンデーサロン

【開催報告2017年11月30日】マンデーサロン 文学・映画から読み解く自然災害への心構え:文化に根ざしたESDへの示唆

[2018年02月08日]
マンデーサロン
文学・映画から読み解く自然災害への心構え:文化に根ざしたESDへの示唆
2017年11月30日(木) 16時30分~18時
発表者:曽我幸代先生(ESD)、川本徹先生(映画学)、土屋有里子先生(古典文学)
  • 参加記
このセミナーは、曽我先生が災害とESDの関係性を紐解いた上で、災害を描いた過去の映像、文学作品からの学びがあるのではないかという疑問を導入とし、川本先生の映画学、土屋先生の古典文学の視点から災害を考えるという流れで進められた。
川本先生はジブリ作品を制作した宮崎駿監督が『崖の上のポニョ』について「なぜ災害を恐ろしいものとして描かなかったのか」という問いに「自然災害は日常に起こる当たり前の出来事の一つに過ぎず、特別恐るべきものとして描くものではない」と語ったことを紹介した。また、アメリカ映画の『ボルケーノ』では、火山灰にまみれた人々を見た子どもが言った「みんな同じ顔だ」という一言に注目し、黒人も白人も火山灰にまみれてしまえば皆同じであることを表していること、すなわちこの言葉は災害によって人種の差異が消滅したことを示唆している、と分析した。
土屋先生は初めての災害文学『方丈記』を取り上げ、中世における日本の災害に対する人々の認識を語られた。災害は神仏など人間以外の存在が引き起こすものとされ、作中の「さるべきもののさとし」は「何かのお告げではないか」と訳され、災害後の復興時に人間界は今のままでよいのかと今までの当たり前を見直すように促す天からのお告げであるとの見解を示された。
90分間で私の災害に対するマイナスイメージは180度塗り替えられた。新たな見解に触れ自分の価値観が変わっていくのは面白く、ぜひ次回も参加したい。
冨田紗也(本学部生)
  • 曽我先生(左上)、川本先生(右上)、土屋先生(左下)、3先生一緒に(右下)

    曽我先生(左上)、川本先生(右上)、土屋先生(左下)、3先生一緒に(右下)