名古屋市立大学 大学院人間文化研究科・人文社会学部

人間文化研究所

マンデーサロン

【開催報告9月28日】MS ポスト「国連ESDの10年」におけるESDの可能性と課題 曽我専任講師

[2015年09月07日]
マンデーサロン
ポスト「国連ESD(持続可能な開発のための教育)の10年」におけるESDの可能性 と課題:ケアを通した自己変容の重要性
2015年9月28日(月) 午後4時30分~6時
講師 曽我幸代 専任講師

ケアから気づかされたESDの大切な視点
ポスト「『国連ESD(持続可能な開発のための教育)の10年』におけるESDの可能性と課題―ケアを通した自己変容の重要性―」(発表者:曽我幸代)が今回のテーマ。サステナビリティな社会を具現化するための人々の意識や価値または行動の変容を目指したESDの実践では,自分・社会・地球のつながりの中で課題を自分事として捉え,その解決に向けて思考・判断し行動する教育/学習活動を展開しているにもかかわらず,あらためて「ケア」という視点でESDを捉え直した今回の発表は新鮮であり,またESDをあらためて問い直す機会でもあった。
具体的事例として「ESDチャレンジ『もみじアプローチ』」で授業と学校をデザインした横浜市立永田台小学校での実践があげられた。ここでは教職員はもとより児童,保護者,地域などが互いに「ケア」することを基本とする学びの場のあり方(=ホールスクールアプローチ)が実践されている。これは個人と集団との有機的なかかわりが互いを引き付け合い,身近なことから地球的規模に至るまでの現代的な課題を自分事として捉える機会を日常的に見出だし,そこで得た感情や解決に向けた視点を他者に語りかけるといった「課題の意識化と解決に向けた行動化」へのサイクルを創出し得る学習環境を整えていると言える。今回の発表で示されたケアの重要な視点「自分自身と社会を変容させるような学び」とESDが合致していることが示された瞬間であった。
最後に「変容をもたらすESDへの示唆」として1学校をケアするコミュニティへ,2信頼と安心を感じられる教育環境,3自分自身の存在を感じられる教育活動,4プロセスが共有されるコミュニティの4点が示された。教育機能をもつ学校・家庭・地域が相互に「ケア」し合い,ESDを視点とした教育/学習活動を実践していく。ESDはこの世の中を明るい方向へと導く一つの光となるであろうと再確認できた今回の発表であった。

松田 剛史 (北海道大学大学院文学研究科博士課程)

ポスト「国連ESDの10年」におけるESDの可能性と課題

開催案内のpdf版はこちら。(974.2 KB)