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在学生の声

名古屋で合同大学祭を開きたい。そんな夢を実現させる。

せっかくだから、みんなで

日本の政令指定都市の中で、名古屋は大学の数が全国3位、学生数は2位というデータがある。その一方で「名古屋には学生の活動の場所がない、大学間の交流が少ない」といった意見があるのも事実だ。そして2011年、その状況を憂慮した学生が立ち上がった。名古屋の人がもっと元気になり、名古屋の人に名古屋をもっと好きになってもらうため、大学生が主体となって行政や企業を巻き込んだイベントを行う。それが、2011年12月に開催された「NAGOYA学生EXPO」である。

イベントの実行委員は名古屋周辺の大学を中心とした学生ばかり。初の会議が行われたのは夏の真っ盛り、8月の終わり頃のこと。この会議で、名古屋市立大学2年生の大山崇之さんはメインステージの企画責任者に立候補した。

大山さんは、名市大の市大祭実行委員会でも1年次からステージ企画を担当してきた。そんな彼は、2年になったある日、ふと思った。
「せっかく大学祭をするなら、名古屋の全大学を集めて合同大学祭にした方が面白いんじゃないか?」。

さっそく合同大学祭のアイデアを実行に移すため、彼は多くの知人に計画を話しまくった。その中で、たまたま出会った先輩が「近いうちに学生EXPOというイベントの説明会があるぞ」と教えてくれた。「これは自分がやりたかった合同大学祭だ!」と直感的に思った彼は、すぐに参加を申し込んだ。そして一瞬の躊躇もなく、ステージ企画の責任者に立候補した。

達成感のための日々

ステージ企画のメンバーは彼を含めて22名だが、その多くはイベントのステージ企画は初めて。最初は全員が手探り状態で、メインステージで何を行うかを話し合った。中には「顔に本物のアンパンをくっつけた、リアル版の正義のヒーロー」というアイデアも飛び出し、和やかな雰囲気でプロジェクトは始まった。

しかし、笑っていられたのは最初のうちだけ。次々と問題が発生した。まず、企画が決まらない。決まっても参加者が集まらない。知人に声をかけ、フリーペーパーやツイッター、フェイスブックで告知するなど、広報手段を全員で考えた。他にも協賛企業との調整などで、全体のスケジュールをなかなか確定できなかったのだ。その苦情や文句はすべて企画責任者の彼にぶつけられる。イベント1カ月前から、彼は内心、ずっと精神的にピリピリしていたという。

そして2011年12月10日・11日。イベント会場となった名古屋テレビ塔周辺は、学生のライブやファッションショー、ダンス、スタンプラリー、ゲームなどで大いに盛り上がった。来場者は2日間で7000名。大成功である。

イベント終了後、共に苦労し、共に作り上げてきたプロジェクトのメンバーから「来年、また一緒にやろうね」とか、観にきてくれた友人たちから「楽しかった」などと声をかけられた。この瞬間がいちばん嬉しい。 「イベントに関わる学生は、全員がこの瞬間のために長い間苦労しているんだと思います」と大山さん。

人は出会いによって成長する

彼は、もう一つ別の喜びも感じていた。それは、他の大学の学生や企業の社員、市の職員と出会うことで一つ成長したと思えること。具体的にどんな成長なのかは分からない。でも「人は人と会うことでしか成長しない」という彼の信念は、こうした経験を積み重ねるたびに確信に変わっていく。

2012年。すでに次の学生EXPOは動き始めている。今年は6月2日(土)、3日(日)に開催されることが決まったため、入学したばかりの新1年生が企画段階から関わることは難しく、新2年生・新3年生が中心となってイベントを作っていかなくてはならない。 「しかも、今年は実行委員長を務めることになりました。1年目のノウハウをすべて提供し、名古屋を少しでも盛り上げられるよう、みんなでがんばります」と大山さん。

今年も学生EXPOは、彼らの思いを継ぐ仲間の手によって、さまざまな出会いを生み出していくに違いない。

インタビュー協力者

人文社会学部2年 福重 茉友さん/1年 山中 純さん *アイウエオ順 ※学年は2011年度取材時

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